ドナルド・トランプ米大統領が8月の大統領令で打ち出した給与税の支払い猶予措置が年末に失効する。同氏が退任する来年1月以降の対応を巡って議員らは難題に直面することになり、何らかの対応が可能かどうかも不透明な状況となっている。トランプ氏はこの大統領令で、雇用主が9月から4カ月間、社会保障給与税6.2%を従業員から徴収するのを一時停止することを認めた。新型コロナウイルス禍による景気後退を受けての救済措置だったが、民主・共和両党の議員はこれを熱心に支持せず、実際に徴収を見送った雇用主も少なかった。だが、給与税が一時的に減額されていた世帯は来年1月以降の源泉所得税が増えるため、それを想定していない家計は窮地に陥りかねない。議会が何も対応しなければ、これら世帯は厳しい状況に置かれるが、そうした世帯だけを救済すれば、給与税が天引きされ続けた人に不公平が生じる。