エクセルの教科書#9Photo:PIXTA

Excelのデータ分析で投資判断という重大な意思決定を行う際に重要なのは、ささいなことにも思える「数字の色」だった――。特集『ビジネスエリートのためのExcelデータ分析の教科書』(全10回)の#9は、#8に続く買収案件の投資判断を巡るストーリーの後編だ。「検討中止リストに加えておいてくれ」。先輩エース社員の佐藤昌毅はそう結論を下すが、入社3年目の江川真代は諦めきれず3日だけ待ってほしいと食い下がる。その3日間で江川が用意した財務モデルの肝とは?

>>前編#8『Excelやるならマウスは没収!見やすい表で投資判断をスピーディーに』から読む

「週刊ダイヤモンド」2015年2月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

計算式だけを使って
Excelで事業の将来予測を作れ

(3日後の会議室にて)

佐藤 よし、やろうか。モデルを見せてくれ。

江川 はい。組み方についての本を読んだりしながらモデルを組んで、あとはブラウンボトルで働いている人や業界の専門家に話を聞きながら数字を作りました。見てください。

(パソコンで財務モデルを開いて見せる。図〈9〉参照)

佐藤 まさか、3日でここまでできるようになるとはな。大したもんだ。簡単にどういう要領でモデルを作っていったのか、教えてもらえるか。