ビジネスエリートのためのExcelデータ分析の教科書#7
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Excelを使えば、会社の数字に隠された経営の力までも簡単に浮き彫りにできる。Excelを使って決算分析をしたいと思うビジネスパーソンも多いだろう。そこで特集『ビジネスエリートのためのExcelデータ分析の教科書』(全10回)の#7では、楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストの力を借りて、初心者でもできる分析方法を教えてもらった。(寄稿/楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト 窪田真之)

「週刊ダイヤモンド」2015年2月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

これであなたもアナリスト!?
Excelを使って決算分析

 企業の決算書を見るとき、普通のビジネスマンであれば売上高に注目することでしょう。売上高が増えていれば「きっとこの企業は成長している」と思いますよね。

 必ずしも間違いではないのですが、売上高というものは景気に左右されることが多い指標です。そのため、仮に伸びていたとしても企業本来の力なのか、それとも景気の影響なのかを見極めることが案外難しいのです。

 では、分析するときにはどこに着目すればいいのでしょうか。実は多くのアナリストが注視しているのが「営業利益率」と呼ばれる指標です。これは、本業のもうけを示す営業利益を売上高で割った値で、企業の競争力を測る上で非常に重要な数字です。

写真:楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジスト
くぼた・まさゆき/1961年生まれ。84年慶應義塾大学経済学部卒業。住友銀行、住銀投資顧問、大和住銀投信投資顧問を経て2014年より現職。著書に『クイズ、会計がわかる70題』(中央経済社)など。 Photo by Toshiaki Usami

 例えば、売上高が増えているにもかかわらず営業利益率が悪化していれば、競争環境が厳しくなっている可能性があります。

 一方、売上高が減っているのに営業利益率が改善していれば、企業の競争力が増しています。この状態で景気が良くなると一気に利益が伸びる可能性が高く、「買い」と判断できます。

 このように利益が伸びる局面は株価に直結するため、見極めがとても重要です。アナリストは営業利益率の推移をよく見ており、そこから企業の競争力の変化を捉えているのです。

 もっとも、これだけアナリストが見ている指標にもかかわらず、不思議とメディアなどではあまり触れられていないので、なじみが薄いかもしれません。

 そこで、気になる企業があれば、10年分ぐらいのデータを集めて営業利益率の推移を調べてみましょう。データは売上高と営業利益があれば大丈夫ですが、最終的な利益である当期利益も押さえておくとよりよいでしょう。

 なお、データの調べ方やExcelで営業利益率を出すやり方は、次ページの図(1)~(3)にまとめています。

 さて、具体的に企業の事例に移りましょう。まずは、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドを例に取ってみます。