ビジネスエリートのためのExcelデータ分析の教科書#4
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Excelの得意技の一つにデータ分析がある。その気になれば、ビッグデータの分析すら可能だ。だが、やみくもに分析しようとすると痛い目に遭いかねない。何時間もExcelと格闘したのに、分析したデータは目的と違っていた……。そうならないためにも、分析する前に概念図を作ることが有効だ。特集『ビジネスエリートのためのExcelデータ分析の教科書』(全10回)の#4では、データ分析とその活用に定評のある大阪ガスに学ぶため、彼らのデータ分析研修の要諦をお伝えする。

「週刊ダイヤモンド」2015年2月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

大阪ガス流「無意味な分析回避術」
データ分析前に概念図を準備

 Excelには、データ分析にまつわる実にさまざまなテクニックがある。

 だが、どんなにテクニックに精通していても、データ分析の「目的」を押さえていなければ意味がない。意思決定に役立つ情報を導き出せなければ、その分析は的外れになってしまうからだ。

 では、データ分析の精度を上げるにはどうすべきか。長年、こうしたノウハウは社員が独自に編み出してきたり、データ解析を行うごく一部の社員の間だけで蓄積されてきたのが実態だ。

 だが、Excelをはじめ、さまざまな分析ツールが身近になる中、最近はそうしたデータ分析の“勘所”こそが重要なスキルとして、組織内で共有すべきだという風潮が広がりつつある。

 実例を挙げよう。社内のデータ分析を一手に引き受けてきた大阪ガスの情報通信部は、そういった考え方を推進する組織の一つだ。全社員が正しいデータを理解しておく必要があるとして、独自に考案した「データリテラシー研修」に力を入れている。

 これまでグループ社員などを含めて約80回、延べ1800人が受講してきたこの研修は、「社内で間違った分析をたくさん見てきたことがきっかけ」だと、河村真一副課長は話す。「典型的なのが、細かく分析し過ぎたり、データの山に埋もれて、いつの間にか方向性を見失ったりするケース。使うデータや分析手法の違いで結果が大きく変わり得るだけに、意思決定を誤るリスクが伴う重さを伝える必要性を感じた」という。

 それ故、この研修では、よくあるExcel講習とは異なり、分析に臨む「前段階」に力点を置く。具体的には、分析の目的を明確にして、分析する要素を決めていく「概念図」の作り方を徹底的に教え込む。「分析に入る前に概念図を作らないのは、設計図なしでビルを建てるのと同じ」(河村氏)という考えからだ。

 次ページの図に手順を示した。四つのステップに沿って解説しよう。