>>前編より続く

意外と堅調な千葉の入試

 1月20日から入試が始まる千葉では、前回お伝えしたように、10日にいち早く出願を締め切った渋谷教育学園幕張(渋幕)の出願者数が2020年より2割弱減少したことが波紋を投げかけている。「第一志望者による本気の戦いになる」という意見の一方で、「受験校数はできるだけ絞りたい」という気持ちの表れも見られるなど反響が多く寄せられていた。渋幕は、東京から通う生徒も多い“東京県民”的な学校である。

首都圏「中学受験2021」、堅調な埼玉・千葉、大波乱の東京・神奈川(後編)受験生の保護者を驚かせた“渋幕ショック”

 では、他の千葉で行われる主な入試の出願状況はどうなのか。以下に、18日朝の段階で判明している数値(カッコ内は2020年実績値)を一覧した。

◎1月20日 
 千葉の入試の皮切りとなる市川(1回)は2463人(2754人)で、うち男子1520人(1769人)、女子860人(985人)、これに加えて他に75人の帰国生も出願している。次いで多くを集めるのが専修大学松戸(1回)の1374人(1470人)となっている。

 午後入試では市川の会場である幕張メッセに近い昭和学院秀英(午後特別)が694人(824人)で、うち男子が354人(408人)、女子340人(416人)とほぼ男女同数でこの日では3番目に多い。今回新設され、初めてのオンライン入試も行う姉妹校の昭和学院の算数1科は、同校としては最多の出願者177人を集める。注目のオンライン入試出願者の10人がこれに加わる形だ。

 千葉には2校だけとなった女子校の和洋国府台女子は前年より微増で募集を締め切っている。聖徳大学附属女子から2021年に共学化し校名改称する光英VERITASは、この日実施の1回からすでに男子分を上乗せする形で大きく数字を伸ばしている。

◎1月21日
 千葉私立御三家の東邦大学付属東邦(前期)は12日で募集を締め切ったが、難関・上位校を敬遠する動きからか、前年比1割減となった。ここでは千葉のもう一つの女子校である国府台女子学院が前年実績にどれだけ迫るかだが、やはり上位校であるためか、大きく減らす可能性が高そうだ。

◎1月22日~25日
 前回の連載でも触れた22日の渋幕(1次)は2割弱の減少となったが、同日実施の隣接する昭和学院秀英(1回)は前年を超える勢いとなっている。23日の芝浦工業大学柏(1回)は千葉御三家に次ぐ上位校であることが減らした要因かもしれない。千葉でも早期決戦志向が強まっているのか、解禁日から4日目以降となると出願者数の伸びが抑制的な傾向がうかがえる中、成田高等学校付属(一般)はすでに前年実績を確保した。