香港や台湾の友人と話していて羨ましいと思うのは、法的な名前とは別に結構勝手に英語名を名乗っていることで、これは日本に住む私たちがやると、「思いっきり日本人って顔でチャーリーって変だよ」と冷笑的に見られそうな雰囲気がある。

 日本では通名を使用する習慣があるのはコリアン系の子くらいで、芸術や水商売の職にでも就かない限り、一つの名前を後生大事に使う。源氏名や筆名など数多の名前で生きてきた私としては、名前ってもうちょっと気軽でよくないか、とは時々思う。

夫婦別姓反対派の
カルト的な主張

 というわけで、そもそも本名で暮らした経験の少ない私は自分の氏にも名にも何の興味も愛着もないのだが、結婚した夫婦が本人たちの選択で同じ氏を名乗ることもそれぞれ別の氏を名乗ることもできる選択的夫婦別姓への法改正を求める議論がいよいよ本格化してきた、と言われてこれまたずいぶんたつ。

 合憲だという最高裁判決が数年前に出ているものの、昨年の自民党内では反対派が再度活性化したし、現実味を帯びたかと思えば相変わらず難航もしている。そもそも20年以上前に始まってから今日にいたるまで、この議論は常に熱を帯びては火消しに遭い、を繰り返してきたのだ。

 夫婦が同じ氏を名乗ることが義務付けられている例は現世界に類を見ない。特に日本が位置する東アジアは伝統的に夫婦が別の氏を名乗る国が多く、日本が苗字に関して特異であることは確かで、圧倒的多数の夫婦は男性が使っていた姓を使っていることから「世界標準に合わせたい」「女ばかり不便がある」という議論が出るのは当然だし、阻む壁など大してない気がするのだが、自民党の一部を中心に、何故か根強い反対派がいる。

 個人的に「今の苗字が嫌い」「好きな人と一体な感じがいい」という人はいるが、「選択制」にまで反対するのはもう少しカルトなにおいがする。そして稀に見るニュース映像での反対派の顔は当然ながら男性が多く、やや年齢層が高いので、このままいくと保守のお爺様たちが死なない限り夫婦別姓が実現しないということになる。