生活を共にするものとして、経済的な感覚はなるべく似通っていることが望ましい。とはいえ、結婚して一緒に暮らして初めてお互いの金銭感覚に気づくこともある。一致していればそれに越したことはないが、そうでなかったら…。(取材・文/フリーライター 藤井弘美)
金銭感覚の齟齬
ある程度はすり合わせ可能
相性がいい者同士は良好な人間関係を維持していきやすい。しかし人間関係にもいろいろあるので、どんな関係性の相手かによって求められる“相性がいい部分”は変わる。友人ならウマが合う、ビジネスパートナーならお互いの弱点を補い合える……などである。
基本的に長いスパンでの人間関係を求められるものの代表は夫婦である。反りが合わなければ離婚という選択もあるが、一応“末長い愛”を誓ってなされるのが結婚である。夫婦がうまくやっていくためには相互の努力が不可欠だが、相性のいい部分が多いほどうまくいきやすいであろうことは想像に難くない。
金銭感覚は夫婦間の相性の中でも特に重要なもののひとつであると同時に、夫婦間で齟齬(そご)が生じやすい要素の筆頭でもある。結婚後は一緒に生活するなどして2人の距離が縮まるため、普段のデートでは取り立てて意識されることのなかった金銭感覚の違いがいきなり浮き彫りになったりする。運よく元から似たような金銭感覚であったなら摩擦はあまり生じないが、ある程度隔たっているものであればそれは夫婦にとって悲劇である。