新型コロナワクチンは承認用量の2回接種が必須
できるだけ多くの人々が新型コロナウイルスのワクチンを接種できるようにするため、接種回数を減らすなど、さまざまなワクチン接種方法の是非が国際的に議論されている。こうした中、米食品医薬品局(FDA)長官のStephen Hahn氏らは1月4日、米モデルナ社や米ファイザー社が開発した新型コロナウイルスのワクチンを接種する米国民は、必ず承認された通りの用量を2回接種すべきだとする声明を発表した。
これまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種方法については、さまざまなものが議論・検討されてきた。例えば、ワクチンの接種回数を減らす、2回目の接種までの期間延長、1回当たりの使用量の半減、複数の種類のワクチンの混合・組み合わせなどである。Hahn氏とFDAの生物学的製剤評価研究センター(CBER)のPeter Marks氏は、そうした状況に言及した上で、「これらの案はいずれも合理的で、臨床試験で評価するに値する。しかし、現時点ではFDAが承認した用量や接種スケジュールの変更は時期尚早であり、確固たるエビデンスによる裏付けがない」と指摘している。
米政府はワクチンの早期実用化を目指して「ワープ・スピード作戦」を進めている。同計画の責任者を務めるMoncef Slaoui氏はCNNの取材に対し、18~55歳の米国民にはモデルナ社製のワクチンの用量を半量に減らし、この年齢層におけるワクチン接種者数を倍増させる案についてFDAが検討する可能性のあることを明らかにしていた。
Slaoui氏によると、これまでに得られたデータから、55歳未満の人では同ワクチンを最大用量の100μgを接種した場合と半量を接種した場合とで、同程度の抗体反応が認められているという。