バーチャルオフィスは
すべての職場に合うわけではない?

 同社のバーチャルオフィスは、当初、峯崎氏の事業部のみでの導入だったが、昨年12月には全社で導入され、これによって各拠点や事業部のバーチャルオフィスの自由な行き来も可能になった。

「昨年5月、バーチャルオフィス導入による試行錯誤を経て、経営陣や事業部長に事例を紹介したところ、その日のうちに8つの部門から問い合わせがあった」(峯崎氏)というが、当初は部署によってなかなか浸透しないところもあった。

 例えば、小規模かつ新入社員があまり多くはない部署では、もともと相談をする必要性が低く、あまり活用されない傾向にあったり、規模の大きい事業部では浸透に時間がかかるという問題点があったためだ。ただし、他部署との連携については活用シーンも期待できるとして、全社導入に至ったという。

 今後は、セミナールームを使ったリアルに近い形式の勉強会、フリーラウンジスペースによる交流や、社員だけでなくゲストにも利用してもらえる形も検討しているそうだ。

 バーチャルオフィスには、「監視されているようだ」と感じたり、「あまりメリットを感じない」と思ったりする人も少なくないだろう。しかし、新入社員や入社から日が浅い社員にとっては、これらの活用で気軽なコミュニケーションが取れれば、成長の加速につながる可能性がある。

 目の前の仕事に支障がないと思っていても、コミュニケーションが明らかに不足していると感じているマネジャー層にとって、バーチャルオフィスは一つの解決策になりそうだ。