集中作業スペース、商談スペース…
バーチャルオフィスで再現

 同事業部が導入したのは、オンラインバーチャルオフィスサービスの「oVice(オヴィス)」。バーチャルオフィス上でアイコンが近い人同士であれば声が聞こえ、会話ができる仕様になっている。用途によってゾーンを設けることができ、ニーズによってレイアウトなどの変更も可能だ。

【話しかけられる図】写真提供:エン・ジャパン自分のアイコンの近くにいる人とは気軽に「立ち話」ができる 写真提供:エン・ジャパン
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 峯崎氏の事業部では、5月に導入を決めて1週間ほどで試用期間を開始。最初は、誰が何をしているのかわかる状態にするというルールだけを決めて使ってみることにしたという。その上で、チームリーダーやメンバーの声を拾う中でブラッシュアップを進め、声をかけてはいけない「集中作業スペース」、商談中であることを表す「商談スペース」、会話OKの「作業スペース」などを作り、5月下旬から6月上旬には完成形にたどり着いた。

作業スペースの図版峯崎氏の部署で決めたバーチャルオフィスの運用ルール 写真提供:エン・ジャパン
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 魅力的なのは、実際にオフィスにいる感覚を、バーチャル上で味わえることだ。例えば、「ミーティングルーム」に入れば、実際の会議室のように施錠をして話ができる上、部屋に入れば音声がつながるようになる仕様になっているためビデオ会議システムのURLなどを発行する手間も省けるという。

 また同事業部のバーチャルオフィスには雑談をする「Barゾーン」を作っており、18時以降に集まってきた社員と雑談することもできるようにした。これによって、オフィスにいたときのようにたわいもない会話をしながら仕事をする社員もいるそうだ。

「『メガホン』という全員に音声で知らせる機能もある。誰かの誕生日の際にはお祝いをしたり、遅くまで仕事をしている社員に対して私が『蛍の光』を歌って“退社”を促したりすることもある」(峯崎氏)