中国の自動車メーカー吉利汽車(ジーリー・オートモービル・ホールディングス)は、中国初となる真の世界的自動車企業を誕生させるための取引を中止した。同社は、合併によって得られる利点を合併せずに得ることを狙っている。つまり売却を伴わない統合というアイデアで、一定の利点が示されているものの、うるさい株主を満足させる試みのようにも見える。最も抵抗の少ない道が実際に最善の道なのかはまだ分からない。同じ筆頭株主を持つ吉利とスウェーデンの自動車大手ボルボ・カーは24日、合併計画を撤回した。その代わりに、内燃エンジンやトランスミッション、ハイブリッドシステムなどのパワートレイン事業を統合し、両社だけでなく外部顧客向けにもサービスを提供する方針だ。吉利とボルボは、電気自動車(EV)および自動運転技術を共同開発し、バッテリーや電気モーターなどの部品を共同調達する。つまり、両社は合併によってなし得るシナジーと同様の効果を見込んでいるということだ。両社は1年前、正式な合併に向け協議中であると発表していた。