バブル相場の正体#1Photo by Yoshihisa Wada

日米の株価はバブルなのか否か。まだまだ上がるか、もう持たずに下がるか、崩壊の日も近いのか。特集『バブル相場の正体』(全12回)の#1では、強気派のリーダー格、松本大・マネックスグループCEOと、弱気派・バブル崩壊派の旗頭である小幡績・慶應義塾大学大学院准教授が、モデレータを務める経済評論家の山崎元氏を挟んで対峙する。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣)

「今の株高は明らかにバブル
しかも最終局面に近い」(小幡氏)

山崎 現在の株価はバブルであるか否か。このあたりから議論を始めましょう。

 私の立場は、バブルは現在、形成中である。ただし、かなりタチが悪いものを形成中なので、まだまだ終わらないはずだと。日経平均株価3万円を突破したという株価水準は、黄色信号がつき始めた初期ぐらいの感じだと思っています。

 まず、株価はもう持たないぞという小幡先生、どうぞ。

小幡 皆さんバブルというと、崩壊直前から崩壊した瞬間を切り取ってイメージしがちなんですが、バブルというのは、今お話にあったように長いんです。生成過程があって、高原状態、乱高下があって最後に崩れる。今はこの一連の過程のただ中にあります。

山崎 かつての日本の資産価格バブルで言えば、まあ1988年くらいの感じかなと思います。

小幡 私は今の株高は明らかにバブルで、しかも最終局面に近いと思っています。その理由は単純で、株価水準とか数字は関係ない。これは私独自のバブルの定義なんですが、投資家が他人の投資行動に基づいて自分の投資を決めている状態にあって、しかも大多数の投資家がそうであり、かつ買っている場合。これがバブルです。

 だから買いが続けば、バブルは続きます。もう3万円だろうが3万1000ドルだろうが関係なく上がる。みんなが買っているから買う。他の人が儲かっているのに自分が儲からないのは嫌だから買うし、最後まで乗って人よりも儲けたいから買う。

松本 私は全然そう思っていない。今、法定通貨、お金に逆バブルが起きているのだと思います。