いまや銀行預金などすずめの涙ほどの利息も付かない時代。そこで活用したいのが、通常の1000倍という高い利率の商品もある「退職金専用定期預金」だ。特集『高利回り商品 総点検』(全12回)の#5では、お得な金融機関のリストから、「退職金転がし」のテクニックまで、その活用方法を解説する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
低金利時代に魅力の
退職金専用定期預金とは
空前の低金利時代だ。いまやメガバンクの普通預金の金利は、わずか年0.001%という水準である。安全な銀行預金で高い利息を得ようという考えは、もはや幻想となった。
だが、そうした厳しい環境でも、使わない手はないお得なプランがある。それが「退職金専用定期預金」だ。
退職金定期の魅力は、何といってもその金利の高さに尽きる。例えば、3カ月定期で金利が年1%というよくある退職金定期に1000万円を預けたとしよう。税引き後の利息は、1000万円×1%×90日/365日×(100%-20.315%)=1万9648円になる。これが、年0.002%の一般的な定期預金では、同じく3カ月でわずか39円にすぎない。退職金定期という安全性の高いプランを利用するだけで、約2万円をまるまるもうけることができるのだ。
名前の通り、退職時にしか利用できない特別なプランではあるが、特に定年退職後は、虎の子の退職金をどう運用しようか考える人も多いだろう。まずは退職金定期でもうけながら、じっくりと老後プランを立ててみるのがお勧めだ。
ただ、ここ数年で、退職金定期の扱いを取りやめたり、金利を引き下げたりする金融機関が相次いだ。例えば、高金利のプランの存在で知られた山口県の西京銀行も、2019年9月末に退職金定期の取り扱いを停止。低金利環境が逆風になっているだけでなく、長期での顧客との関係構築を狙い、見直しを行ったという。
これから利用する人にとっては残念なことではあるが、それでも1%超の高金利を提供する金融機関はまだまだ多い。次ページでそのリストを公開しよう。