東日本大震災から10年。毎年この時期になると、復興をテーマにした特集ニュースから、ドラマ、ドキュメンタリーが届けられ続けている。人それぞれに、東日本大震災との向き合い方がある中で、テレビは何を描き、伝えているのか。この10年でどんな変化があったのだろうか。(テレビ業界ジャーナリスト 長谷川朋子)
10年目の節目、局の垣根を越えたテレビ連携の取り組み
2011年3月11日以降、テレビ局各局は東日本大震災の独自取材を続けてきた。10年の節目である2021年は、その届け方に変化が見られる。テレビ局の系列を越えた“連携”というかたちで、届けていく取り組みが目立つ。
民放キー局5局とNHKは共同プロジェクトを発足し、局の垣根を越え、各局が協力しながら制作した番組を届けている。共通テーマは 「キオク、ともに未来へ。」というもの。震災の体験を「風化」させず、次の世代へメッセージを伝えることが目的だ。被災各地の歩みを撮り続けた各局のカメラの記録を通じて、10年を経て「進む復興」と「直面する課題」に向き合う場がテレビを通じて作り出されている。
各局の主たるプロジェクト参加番組には、報道ドキュメンタリーが並ぶ。テーマは共通だが、それぞれの局の独自色も反映されている。番組名からもその色を感じとれるのではないだろうか。
●日本テレビ『NNN 未来へのチカラ ミヤネ屋×every.×zero×バンキシャ!特別版』 3月11日(木) 午後1時55分~7時00分
●テレビ朝日『あの日から10年~東日本大震災 スーパーJチャンネルSP』 3月11日(木)午後1時50分~3時43分
●TBS『東日本大震災10年 つなぐ、つながるスペシャル』 3月6日(土) 午後2時00分~3時54分
●テレビ東京『ザ・ドキュメンタリー「海の声が聞こえますか 東日本大震災から10年」』 3月7日(日) 深夜3時10分~3時40分放送
●フジテレビ『わ・す・れ・な・い 未来へ…10年目の総検証』 3月11日(木) 午後3時15分~4時50分