東日本大震災が起きた後、台湾から200億円の義援金が届いたことを覚えている人は多いだろう。だが、台湾からの支援はそれだけではなかった。台湾人たちが被災地でどのような支援をしていたのかを紹介するとともに、多額の義援金を集める台湾の制度について解説したい。(アジア市場開発・富吉国際企業顧問有限公司代表 藤 重太)
蔡英文総統が
応援の動画メッセージ
今年1月23日、台北市の「Taipei 101ビル」の上層階の窓に「日台友情」というメッセージが映し出された。日本台湾交流協会が主催した東日本大震災10年目を「日台友情年」として感謝するイベントのスタートだった。式典には台湾の李永得文化部長(文化大臣に相当)も列席し、蔡英文総統も動画メッセージを寄せた。
同日の夜10時過ぎには蔡英文総統が自身のツイッターに日本語で「我々は世界に向けて、台湾と日本はいつまでも、固く結ばれている隣人だと伝えたい。台湾人と日本人は、心と心で深いつながりを築いています。その絆こそ、台日関係の最大の原動力であります。いつまでも日本を応援しています!」と投稿している。
10年前、東日本大震災後に台湾からの「義援金200億円」が届いたことは我々の記憶にいまだに深く刻まれていることと思う。このとき初めて台湾の存在と親日感情を知った方も多いだろう。しかし震災直後、台湾の人たちが日本の被災地に直接赴き、数多くの震災支援を行っていたことはあまり知られていない。