1位:右の歯「だけ」がめちゃくちゃ長い「オドベノケトプス」

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 ぱっと見、セイウチのようにも見える「オドベノケトプス」は、とても立派な歯をもっている。ところが、何かがおかしい。右の歯はたしかに立派だが、左の歯はどうした……?

 そう、彼らは「右側の前歯だけ」が体の後ろに長くのびたハクジラの仲間なのだ。この牙はオスだけにあったようなので、メスにモテるためのものだろう。左右のバランスが悪く泳ぎにくいはずだが、彼らは海底の二枚貝から身を吸い出して食べていたため、速く泳ぐ必要がなかったのかもしれない。

 しかし、メガロドンなど大型のハンターが現れると、泳ぎの遅さがあだとなり、絶滅した可能性がある。

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(この記事は『も~っと わけあって絶滅しました。』の内容を一部抜粋・編集したものです。)

存在したのが嘘みたいな絶滅生物ベスト3
監修者:今泉忠明(いまいずみ・ただあき)
東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査等に参加する。上野動物園の動物解説員を経て、東京動物園協会評議員。おもな著書に『野生ネコの百科』(データハウス)、『動物行動学入門』(ナツメ社)、『猫はふしぎ』(イースト・プレス)等。監修に『ざんねんないきもの事典』シリーズ(高橋書店)等。単独性でひっそり暮らし、厳しい子育てをする、チーターやヒョウ等のネコ科の動物が好き。
存在したのが嘘みたいな絶滅生物ベスト3
著者:丸山貴史(まるやま・たかし)
動物ライター、図鑑制作者
ネイチャー・プロ編集室勤務を経て、ネゲブ砂漠にてハイラックスの調査に従事。『ざんねんないきもの事典』『続ざんねんないきもの事典』(ともに高橋書店)の執筆や、『せつない動物図鑑』(ダイヤモンド社)の編集、『生まれたときからせつない動物図鑑』の監訳等を手がける。好きな動物はツチブタ。理由は、たった1種でツチブタ目を構成する孤高さや、シロアリ食なのに伸び続ける臼歯をもつ独自性等、あらゆる点でかっこいいから。