地銀転落 メガ銀終焉 銀行複合危機#6
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コロナ禍に伴う企業の業況悪化が、与信コストの増加をもたらし、地銀の収益力に暗い影を落とそうとしている。今後、全国的に不良債権が急増したタイミングで赤字に転落しやすい地銀はどこなのか。特集『地銀転落 メガ銀終焉 銀行複合危機』(全10回)の#6では、独自の試算で地銀の体力を推し測った。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

福島県の東邦銀が20年ぶりに最終赤字
県内大手地銀の赤字に業界は戦々恐々

 ドミノ倒しの“1枚目”なのか――。3月26日、福島県内最大手の東邦銀行が2021年3月期決算の業績予想を修正し、赤字転落する見込みだと発表したことで業界内に戦慄が走った。

 東邦銀は連結決算で52億円、単体決算で60億円の最終赤字を想定している。同行の赤字は、01年3月期以来、実に20年ぶりだ。

 赤字の最たる原因は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が融資先企業に重くのしかかり、銀行側も倒産に備えた引当金などの与信費用を積み増さざるを得なくなったことにある。

 東邦銀は21年3月期予想で118億円、22年3月期予想で25億円の与信費用の増加を見込んでいる。21年3月期予想については、直前まで単体で28億円の黒字予想を打ち立てていたが、与信費用に利益を一気に食いつぶされてしまった。

 東邦銀が陥った業績修正は、他の地方銀行にとって対岸の火事ではない。飲食業や宿泊業といった業績回復が遅れている業種を中心に、業況悪化の波が全国的に訪れており、与信費用の増加が危ぶまれているからだ。

 期末を目前に控えた今、ある第二地銀幹部は21年3月期決算の与信費用について「おそらく想定していた範囲にとどまる」と安堵の声を漏らした。ただ、「(銀行の債務者区分のうち異常がない正常先のワンランク下の)要注意先に分類している企業は、貸倒引当金が過小になっている可能性があり心配だ」(同)。

 多くの地銀が想定するより大きな懸念事項は、コロナ禍がさらに長期化してしまい、過去の経済危機と同じように不良債権が連鎖的に発生する局面だろう。

 では不良債権が急増したときに、現時点で収益力が落ち込んでいて、耐え切れず赤字に転落してしまいそうな地銀はどこなのか。

 そこで今回ダイヤモンド編集部では、基礎的な収益力と比較したときに、足元の貸出金残高に占める与信費用の割合がどれくらい増加すれば赤字に転落するかを個別銀行ごとに分析した。

 それに基づき作成したのが、地銀の「不良債権耐久力」ワーストランキングだ。早速次のページから見ていこう。