銀行が直面する赤字転落リスクは、与信コストの急増だけではない。40年ぶりに銀行間の振込手数料の引き下げが決まり、減益は必至。また、給与のデジタル払いの解禁が進められ、給与支払口座という銀行の特権が切り崩されようとしている。特集『地銀転落 メガ銀終焉 銀行複合危機』(全10回)の最終回は、落日が迫る銀行の姿を追った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
「外圧」で引き下げた銀行間手数料
銀行全体で数百億円規模の損失に
「手数料は、われわれにとって重要な事業戦略だ。今後、どう手数料を設定するべきか、今まさに検討している」――。
メガバンク幹部が言うところの「戦略」の練り直しに、全ての銀行が直面している。実に40年以上にわたって変わることなく、銀行の懐を潤し続けた銀行間手数料が引き下げられることになったからだ。
これにより、銀行にどのような減収インパクトがもたらされることになるのか。