2021年2月末、ユニゾホールディングスの宮明靖夫取締役経理部長が辞任した。背景には、かつての親会社で、メインバンクだったみずほフィナンシャルグループが社内に残した「銀行の論理」との暗闘があったことが、ダイヤモンド編集部の取材で明らかになった。特集『地銀転落 メガ銀終焉 銀行複合危機』(全10回)の#2では、日本初のEBO成立後にユニゾHD内部で起こっている混乱をレポートする。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
経営危機下の経理部長辞任
背景にあった「暗闘」
2021年2月末、中堅不動産会社ユニゾホールディングス(HD)の宮明靖夫取締役経理部長が辞任した。
経営危機下での経理責任者の辞任に、ユニゾHDの債権を持つ金融機関の多くが、同社の倒産を覚悟したはずだ。そして、宮明氏が沈みゆくユニゾHDから逃げ出したのだと思っただろう。
しかし、宮明氏辞任の背景は、そう単純ではなかった。