日銀点検で株価は下げたが、「暴落」しないと言い切れる理由写真はイメージです Photo:PIXTA

日銀による3月の金融政策の点検が原因で株式相場が下がったと言われている。今後、株価は暴落するという声もあるが、現時点では単なる「調整」である。この先、株価はどうなるか。(トリオアセットマネジメント株式会社代表取締役 奥村 尚)

日銀が
ETFの購入方針を見直し

 私は、「この日」は3月には来ないと踏んでいた。しかし、結果としては来てしまったかもしれない。

 日銀は3月19日、政策決定会合を行い、基本的見解を発表した。

 日銀は投資信託(ETF)という形で株式を購入していて、その金額たるや、簿価ベースで35兆円(2月末)に達していた。もう十分、株価も上がってきたし、今年に入って、ETFの購入額も回数も激減していたので、そろそろ購入をやめるのではないか。3月の金融政策の点検で、それを発表するかも…。市場ではそういう感触を持っていたのは間違いない。

 案の定、その発表では、ETFの購入方針を見直したのだった。

 私は、ETF購入をやめる「この日」は年内に来るかもしれないが、少なくとも3月には来ないと踏んでいた。ETF購入を停止すると失望で株は売られ暴落する。それをわかっている日銀は今春にはETF購入停止とは言わないはず、と思っていた。