大学院の留学にかかる費用の大半を
家賃収入から捻出することができた

 今から考えると、一度目の受験で不合格をもらえたことは、何かのお告げだったのかもしれない。おまえには、まだ日本で自分の手と足、知恵と勇気を使って完遂するべき仕事が残っている、と。もし米国からリモートで最初の開発物件を管理していたら、これほどいい建物ができただろうか。

 大学院の学費は年間500万円にものぼり、そしてさらに寮費や生活費がかかるため、年間800万円ほどの最低生活資金が必要だ。家族帯同を予定している場合はさらに膨れ上がる。

 結果的に、一部を奨学金で賄ったものの、物件が完成し安定稼働を始めていたために、その大半を何とか家賃収入から捻出することができた。さらに、米国渡航直前にも土地を仕込むことができ、遠隔でも動いてくれる頼もしいチームもできた。

 こういった経済的な自由を持っていると、留学中の余裕も生まれるため、学びも深まり、自身の生々しい投資経験をクラスメートや教授とシェアすることもでき、研究も一気にリアルな内容となっていった。もちろん自分が現在進行形で開発している物件に、ハーバードでの学びを即座に反映することができる。

 ハーバードなどの米国教育研究機関に限らず、留学や海外赴任で今のコンフォート・ゾーン(快適な空間)から抜け出し挑戦したいという方は、ぜひ不動産収入の確立にトライしてみてはいかがだろうか。一度できてしまえば、経済的な自由も手に入るが、それ以上に人生の可能性を大きく広げてくれるはずだ。留学ノウハウなど、詳しくは僕のブログをどうぞ。

 http://harvard-real-estate-design.blogspot.com/

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。