どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化した『ハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。
Case Study:大手不動産ポータルサイト掲載物件を
試しにBOE分析してみよう
以下の物件は、場所や建物写真など架空のケース・スタディで実際に掲載されている物件ではないが、大手不動産投資系ポータルサイトには、このように情報が整理されて掲載されているのでBOE分析の特訓をしやすい。
条件等:
GPI(満室時家賃収入):783万円
EI(空室考慮時の家賃収入):空室率5%と仮定
OPEX(賃貸運営経費):住宅用途でエレベーターがない場合や新築の場合はEIの8%程度と仮定。詳しくは詳細を問い合わせれば、売主または不動産仲介業者がしっかりと出してくれる
NOI(実質収益)を算出してみることが最初の一歩だ。
ローンは10%を自己資金で賄い、90%融資が引けると仮定。金利は1・5%で30年元利均等返済。ご自身でさっと検索してBOE分析を行ってもらった結果、ローン後キャッシュフロー(CFAF)は自分が望むものだっただろうか? 一発で望むCFAFを叩き出した場合は、即時に買付証明書を売主に送付しよう。
いやいや、実際やってみるとCFAFが雀の涙ほどということがほとんどだ。100物件に3つの可能性なのだから、この分析を根気よくやる必要がある。まさにDo Your Homework!(自分の宿題をする)。
面白いことに、BOE分析を繰り返し行い、数字の勘所がわかってくれば、優良物件を見極める数字的感覚が研ぎ澄まされていき、投資に価する物件を引き当てる確率がどんどん上がってゆくのがわかる。ぜひ、まずはBOE分析を一週間で100件こなすなど、自分なりのゴールを設定して取り組んでもらいたい。