どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化した『ハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。
表面利回りと実質利回り
今回は、不動産投資の成績である利回りについて。
つまり総開発/投資費用(TDC:Total Development Cost)に対して、年間でどれだけのリターンが利回りとしてあるかという投資指標だ。前回の続きで物件について計算すると以下になる。
表面利回り:GPI 960万円÷総開発/投資費用(TDC)1億2000万円=8%
実質NOI利回り:NOI 750万円÷1億2000万円=6・25%
表面利回りとは、物件が満室想定時にどれだけ稼ぐ可能性があるかを示す投資リターンだ。
対して実質NOI利回りとは、現状の実際の空室率や賃貸経費を加味した、よりリアルな純収益に対する利回りとなる。
この2つは国際的には非常に重要な意味を持っているが、日本のマーケットでは、特に表面利回りが注目されるため、まずは表面利回りを使っていこう。