生きる「速さ」を見直そう

そして、最後にもう1つ付け加えるとしたら、
自分を愛するチャンスだ。

生きていれば、どんな慰めの言葉も耳に入らず、
二度と立ち上がれそうにない困難が訪れることもある。
積み上げた砂の城を波がさらっていくように、
一瞬にして心が崩れることもある。

そのときにできるのは、
自分をもっと愛することだ。
あなたには、自分を愛するチャンスがあるということを
忘れないでほしい。

自分をもっと理解して
自分にもっと寛大になり
生きる速度が速すぎるときは立ち止まって
自分のためになることとは何なのか、
真剣に考えてみるといい。

話を聞いているうちに、いつのまにか目的地に到着していた。
降りるために私が荷物をまとめていると、
運転手は言った。

美しく咲く人よ
日々の小さな出来事に失望せずに
今日も明日も幸せに過ごせますように。

(本原稿は、クルベウ著 藤田麗子訳『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』からの一部抜粋・改変したものです)

【著者】クルベウ
1988年生まれ。詩人、作家。本名キム・ドンヒョク。事業に失敗し、自分のためにSNSに投稿していた癒やしの言葉が多くの読者の共感を集め、SNSの投稿をまとめた著書『心配しないで』で作家デビュー。処女作はBTSのファン感謝イベントで紹介され、ファンの間で「BTSおすすめの作家」として話題となる。
作家としてデビューしてわずか1年で大手企業から講演の依頼が殺到し、年100回以上の大規模講演を行う。2017年からはリュックを背負い、韓国全土を回って人々の悩みを聴く「セボム・プロジェクト」を実施している。
韓国では本書のほかに、20万部を超えるベストセラーとなった『疲れたり、好きなことがなかったり』や『何でもない今はない』『他人の目を意識して苦しい私に』『今日ほど私が嫌になった日はない』などの著書がある。『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』は著者初の日本語翻訳本。Instagramのフォロワーは23万人(2021年3月現在)、著書累計55万部。