長らく続くコロナ禍中での生活。以前よりも外出しやすくなったものの、働き方や人間関係の変化で、気持ちが落ち込み気味の人も多いのではないだろうか。2021年4月に発売された『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著 藤田麗子訳)は、「無理せず、自分のペースで自由に生きたい」という人におすすめの1冊だ。著者のクルベウ氏は事業に失敗し、自分を励ますためにSNSに投稿していた癒しの言葉が多くの共感を集め、2015年に作家デビュー。本作はクルベウ氏の日本語初翻訳作品だ。読者からは「1ページ目から涙が出た」「すべての文章が刺さった」「大切な人にプレゼントしたい」との感想が多数寄せられている。人気ライターの地主恵亮さんも、本書について「悩みを解決に導くヒントがある。押しつけがましくなく、肩の力がスッと抜ける本」と語る。今回は、地主さんに「コロナ禍で大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしたこと」について話を聞いた。
コロナ禍で仕事がなくなった
1985年福岡生まれ。フリーライター。武蔵野美術大学を卒業後、出版社に勤務するも10ヵ月で勤務していた部署が廃止となり無職となる。深刻な友だち及び彼女不足により、2012年より一人なのに彼女がいる風の写真を撮り始め、2013年末、イギリスの一般紙ガーディアンにて、「世界で最も気持ち悪い男」として取り上げられる。その後、CNNや朝日新聞といったメディアにも取り上げられ、「アウト×デラックス」など、多数のテレビ番組に出演。「ひとりデートマスター」として一躍話題に。著書に広瀬アリス主演でドラマ化された『妄想彼女』(鉄人社)や『ひとりぼっちを全力で楽しむ』(すばる舎)などがある。
自然界の動物はケガをしていても、していない風を装うと聞いたことがある。
ケガをしていると周りにバレると襲われ命を落とす可能性があるからだ。
我々人間は、ケガをしたらさすがに病院に行くけれど、精神的な面ではとくに、本当は大丈夫でなくても大丈夫なふりをしている気がする。
コロナ禍で我々の生活スタイルは大きく変わった。
テレワークが一般的になり、どこにいても仕事ができるなど働き方にも大きな変化が起きた。
私の知人にも会社が完全リモートになり、東京に住んでいたけれど、地元に戻り今の仕事を続けている人もいる。
私はフリーランスでこのような記事を書いたり、動画や写真を撮ったりなどの仕事をしている。
フリーランスなので、テレワークなんて関係ないのだけれど、コロナ禍で仕事には大きな変化が訪れた。
それは「仕事がなくなった」ことである。
私に仕事を頼みたいという優しい人々が減っただけとも考えられるが、コロナが原因ということにしている。
そこに深く踏み込むと悲しい現実が浮き彫りになりそうなので、すべてはコロナのせいなのだ。
2021年4月に出版された『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』に素晴らしきことが書いてある。
「人生はおまえが恐れているように悪いほうにばかり進んでいくわけじゃない。
そうならないように自ら行動するはずだからね」
私に仕事を頼んでくれる人が減った、と悪い方向に考える必要はないのだ。
その通りで私は自ら行動した。コロナのせいだ、という原因の究明。
根本的な解決には一切なっていない気がするけれど、そう考える行動に移したのだ。
体が少し軽くなった気がした。
『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』には、我々が生きて行く中で必ず生まれる悩みを解決に導いてくれるヒントが記してある。
それが押しつけがましくない。スッと肩の力を抜いてくれるようなヒントだ。
私が先に書いた例があまりよくなかったかもしれないけれど、こういう考え方もあるよ、と示してあるのだ。
それに私は救われた気がする。
ということで、コロナ禍で大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしたことを3つ書いてみたいと思う。