嫌なオーラを発散する店員
クレーム送信の際の心構え

 何でもかんでもクレームをすればいい、ということではない。ただの難癖クレーマーは、「害悪」だ。

 しかし、常識的に不快な対応・サービスをされたら、客としてクレームを入れることは間違っていない。
 
 ここで紹介したいのが、ある女性の体験談である。
 
「ランチセット1300円ほどの店なのに、カウンターまで客がフードやドリンクを取りに行くスタイル。そこまではまだいいのだが、カウンターにフードを乱暴に置いて客が取りにいく前にキッチンに引っ込むのは感じが悪かった。混んでいて忙しいならわかるけれど、その時は店内に私しか客がおらず…。歓迎されていないのかな?というムードの中で食べるご飯は悲しかった」(40代女性)
 
 積極的に攻撃的な態度を取られたわけではないため、その場で抗議しづらいが、とはいえ感じが悪い対応だ。
 
 これがチェーンの飲食店であれば、本部宛てにクレームを入れるべきだ。感情的に電話するのではなく、相手の非を冷静かつ正確に伝えられるメールが好ましいであろう。

 クレームを書いている最中、だんだんと怒りが冷めてきて、「こんな大げさなことしなくてもいいんじゃないか」「あの店員は、家族を養うために必死にあの仕事にしがみついているのかもしれない」などの迷いが生じてくるが、しっかりした事実があるなら、伝えるべきだろう。

 他人や仕事に対する甘えが芳しくない接客対応を引き起こしていて、一度やった人はおそらく同じことを二度、三度と繰り返す。その二度目、三度目で自分と同じように不愉快な思いをする人が生まれるかもしれない。クレームはそれを未然に防ごうとする、社会的な利益につながるものである。クレームでくだんの店員が注意されて少しおとなしくなるか、心を入れ替えて仕事に精を出してくれるようになったら、皆ハッピーである。そう自分に言い聞かせて、メール送信のボタンを押すのがよろしい。
 
 この女性のケースだと、文末の「悲しかった」が秀逸である。この点はこのままクレームの文章にしてはどうかと思う。