これは飲食店ではないが、パソコン修理のある会社に客として関わったところ、めったにないほどものすごい対応をされたので、評価星1の口コミを書いたことがある。するとその口コミが大変好評だったようで、同社の口コミで「いいね」数トップとなり、登録したメールアドレスに定期的に「あなたの口コミが評価されています!」なる旨の通知が来るようになった。
 
 「評価される低評価」の口コミを書くコツは、怒りを出さないことである。

 「こちらは全然平気なんですが、これってすごく変ですよね。僕もここは少し変だったかもしれませんが、相手のここはそれ以上にすごく変ですよね」と冷静に、客観的に、時として自省をちらりと見せつつ書き進めていくと相手の不条理さが際立ち、結果評価につながる。

 誰かに評価されれば、たとえそれが低評価星1の悪口じみたものであろうと単純にうれしく、消費者の利益を守るという社会的意義もあり、自分自身も満足できる。
 
 さて、「飲食店における不快な体験に、いかにして向き合うか」がテーマだったが、すっかり「不快な気分にさせてきた店に対して逆襲する方法」のようになってしまった。

 精神レベルが上で菩薩のような人は、こんなくだらないことをする必要はない。そういう人は至らない店を心の底から許容できる懐の広さを備えている。
 
 しかしそうではなく、やはり不快さをとどめてモヤモヤしてしまうのも仕方がない。害意なく、むしろ融和の心持ちで赴いている店で不快感を負わされれば、それはもうクレームも口コミも書く資格が与えられたと考えてよい。そうして何かしらの方法で落としどころを見つけ、寝覚めのよい朝を迎えたいものである。