残念な思考パターン(2)
できない理由を正当化する

 残念な思考パターンの二つ目は、自分が探した“できない理由”を自分のロジックで正当化しようとすることです。確かに、組織の中にいれば、上司からのむちゃ振りに対して「それは無理です!」と言いたくなるような場面もあるでしょう。できないことの理由を挙げて、そのオーダーを押し返したくなるのも分かります。しかし、できない理由を挙げれば挙げるほど、あなたの評価は下がります。それは「自分には能力がありません」と宣伝しているのと同じだからです。

 できない理由を探し、その理由を正当化しようとしているときには、自分なりの経験やロジックが先に立つことでしょう。そんなときには他の人に話してみると視野が広がります。テレワーク中に一人で仕事をしていると、この思考パターン(1)と(2)に陥りがちです。「自分の意見としてはできない」と思っているときには、「本当にできないのか?推し進めることでどんなリスクがあるのか?」を一緒に考えてくれる、相談できる相手を持っておくことが大切です。

残念な思考パターン(3)
できない事例ばかりを集める

 残念な思考パターンの三つ目は、できない理由を探し、その理由を正当化し、自分なりのできない事例をせっせと集めることです。「A社もできていない」「B社はやったけど失敗した」などと、自分なりの“できない理由”を後押しするような事例を集めてしまい、「だからできません」という結論を強化しようとします。集めた事例に客観性があればよいのですが、最初からできないことを証明しようと思って集める事例は、恐らく客観性に乏しいものになってしまうことでしょう。

 事例を集めるのであれば、「できない」「できる」両方の事例を集めて、それぞれメリットやデメリットを伝えた上で判断をする。これを意識しないと、周囲から信頼される人にはなれません。特にテレワークでは、自分の世界が狭くなりがち。YESかNo、GoかNo Go、というように、ポジティブとネガティブの両極を考えられるような事例集めを意識しましょう。