しかも、国民年金に加入していないと、iDeCo(個人型確定拠出年金)が利用できません。iDeCoは積立投資信託が非課税でできるだけではなく、掛け金が全額所得控除になり節税ができます。自営業者はサラリーマンより掛け金の上限金額が大きく、月に6万8000円、年間にすると最大81万6000円が所得控除できるのです。60歳まで引き出せないことがデメリットと捉えられがちですが、収入が将来的にも安定しているだろうと見込めるのなら、老後資金を作ることにもなりますから、さほど大きな問題ではないでしょう。国民年金に加入していないと、自営業にメリットが大きいこのような制度の利用ができないのです。

健康保険と国民年金保険への加入は、
将来の自分のため

 健康保険、国民年金保険への未加入は、公的に万人が受けられる保障を受けることができず、将来の資産形成にも影響を及ぼすのです。

 今のまま未加入でいると、医療、介護などの費用で蓄えがどんどんなくなってしまう可能性もあります。Kさんは次の面談日までに役所に行くことを約束しましたが、手続きをしないことで自分が良くない状況に置かれてしまうことを、もっと自覚してほしいと思いました。会社員はそれが強制なので、ある意味守られています。その場を退く時に、自分の責任としてきちんと社会的な保障の環境が守られているかを、確認していただきたいと思います。