2~4位はすべて不動産

 2~4位はすべて不動産で、2位のファーストステージは平均年収1291.5万円、3位のLeTech(リテック)は985.9万円、4位のダイビルは953.7万円となっている。

 ファーストステージは、マンション分譲や賃貸・建物管理、太陽光発電を主力事業とする20年5月に東京プロマーケット(TOKYO PRO Market)に上場した企業だ。

 東京プロマーケットは東京証券取引所が運営するプロ向けの市場で、一般の国内投資家は株式を購入することができない。他の市場とは異なって数値で定められた上場基準がなく、上場する企業側としては早期に低コストで上場できるメリットがある。その半面、同市場の上場会社は相対的に高い投資リスクを含んでいる場合があり、一般の市場よりも「投資は自己責任で」の側面がさらに強いため、プロ向け市場となっている。

 LeTechは、平均年収が前年から5.6%増している。不動産オーナー向けのサービス提供や、不動産コンサルティングを行ってきた企業で、現在は富裕層向け資産運用アドバイスを行うZUUと提携し、不動産オーナー向けのWebメディア「YANUSY」を運営している。

 ダイビルの平均年収は前年から0.1%増とほぼ変わらず。主力事業はオフィスビルや商業施設などの賃貸である。

平均年収700万円以上の企業は
不動産、卸売、コンサルが多い

 5位は建設業の大和ハウス工業で、前年から1.2%増の918.5万円。従業員数1万6262人と、今回のランキングの中で最多の企業である。

 同社が公表している月次の受注金額の推移を見ると、新型コロナウイルス感染拡大の第1波が猛威を振るっていた20年4月には前年同月比67%(33%減)、翌5月には同70%(30%減)と大幅に減少し、前年割れが続いていた。ところが、20年9月には同102%(2%増)と前年実績超えを達成。翌10月には再び前年割れを起こすが、11月以降は前年超えを継続している。

「コロナ前」である2年前と比べると減収はしているが、コロナ禍があっても大崩れには至っていない。大和ハウスの平均年収のデータは20年3月期のものなので、近く公表される21年3月期の有価証券報告書でコロナ禍が1年丸々直撃した後の同社の平均年収がどのような動きを見せるのかに注目だ。

 なお、今回年収が700万円を超えた企業は24社あった。業種別に見ると、最も多かったのは不動産で6社、岩谷産業(917.3万円)などの「卸売業」が同じく6社。また、「サービス」が3社あるが、エフアンドエム(762.8万円)、オンデック(746.4万円)、タナベ経営(715.5万円)はいずれもコンサルティング事業を手掛ける企業である。

(ダイヤモンド編集部 吉岡綾乃)