調査中断理由の60%ほどは、調査対象者の過度な警戒により調査の継続が不能と判断した時です。判断材料は状況によっていろいろありますが、徒歩での尾行で考えると以下の挙動です。

(1)何度も自分の背後を振り返る
(2)同じ道を行ったり来たりする
(3)急に立ち止まる
(4)曲がり角で待ち伏せされる

 われわれ探偵が調査に臨むにあたり、第一に優先しているのは最大限の調査成果を上げることと、法の順守です。それと同等に重んじているのが、対象者に調査をされていることを認識させないことと、依頼者の存在を気取られないようにすること、です。

 探偵はこれらを合わせて「現場を壊さない」と表現します。そして、調査員の安全です。

 どれか一つ欠けても、探偵という仕事は続けられません。これは探偵あるあるというよりも、鉄則として日々心がけています。

調査を中断する理由
調査対象者が○○な時

 調査中断理由の20%ほどは、現場の調査員が対象者の行動を見る限り、どう考えてもシロだと判断した時です。

 シロとは疑惑に値しないということです。

 わが片岡探偵事務所においては、調査依頼の80~90%が浮気・不貞調査です。対象者にその兆候が見られない場合は、契約時に結んだ調査期間の途中であっても、依頼者に調査の中断を申し出ることにしています。

 現場に居ない依頼者には、状況は分かりません。

 調査員が正確に報告しなければ、成果も出ないのに無駄に調査することや、調査をしたことにして調査費用をせしめることも可能なのです。そういった悪徳探偵業者がいたのも事実でした。

 しかし、そんな調査をしても依頼者のため、そして探偵のためになるはずがありません。