前回に引き続き、今回も「いまから4月入学に間に合う大学院」を紹介する。今回は関西のトップレベル私学の一角、立命館大学が設置するMOTの大学院である。
今から間に合う、というのも無理な話ではなく、この記事が公開されるの2月24日(火)に、学校説明会が開催されている。おそらく最終の説明会になるだろうが、間に合う方は立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催されている。1回目が13:00~15:00、2回目は18:00~20:00での開催。
この大学院については色々と情報が錯綜しているようなので、ここで整理しておきたい。まずは「社会人向けの大学院か否か」について。
実はこの大学院は2キャンパス制を採っていて、上記の滋賀にあるキャンパスと、大阪・淀屋橋のサテライト・キャンパスのどちらでも受講できるのである。滋賀のキャンパスは昼間から開講しており、大阪のキャンパスは平日夜間の18時30分から2コマ、土曜は10時40分から5コマ。社会人は大阪のキャンパスだけで履修すれば、無理なく仕事との両立が可能。
一方、退職・休職して学業に専念する気であれば、フルタイムの学生になることも出来る。両方のキャンパスに通い分けることも、届け出により可能である。つまり、学部から進学も、社会人の通学にも対応しているのである。
なおかつ、一部の科目を除き1年間を4期間に分けるクォーター制。短期間集中で単位取得できるので、年末等仕事の繁忙期がサイクル的にやってくる社会人には都合がいい。
一方でこの学校は専門職大学院ではなく、博士後期課程も設置している。すなわち、研究者コースに進む途も整備された、社会人が通える大学院であることも特筆しておくべきだろう。
イノベーションを経営に活かす
世界でも注目のMOT
MOTは、世界的にも注目の分野である(Management of Technology=技術経営)。よく言われる「理工系のMBA」はぶっちゃけ過ぎの気もするが、一面は当たっている。イノベーションを経営に活かすというその思想は、技術立国たる日本の産業風土に馴染みやすいのではないだろうか。
さらに平たく言えば、実務的な部分での「技術畑出身の経営者」を育成する側面がある。一般入試の他に「企業等推薦入試」のシステムがあるもの、こうした面とフィットする。
基幹となるコア科目は技術経営概論、技術・知財関連法、ケーススタディ、ファイナンス戦略、リーダーシップ論、技術マーケティング論。理系の学生が多いと言うが、経済など社会科学系の学部出身者との親和性も悪くない。
入学時期は4月と9月、入学試験は年4回実施されているこの大学院の、4月入学最後の入試。出願時に求められている書類も多くなく、出願理由と研究計画は所定の書式で提出する。考えすぎて冗長な作文と研究計画書に時間を費やす愚を、学校が理解している証拠である。試験は一般入試が小論文と面接、企業等推薦入試では書類選考と面接。繰り返すが、いまから出願して間に合う大学院だ。
なお今回の募集では枠がないのだが、じっくり勉強する気であれば、3年でMOTと理工学の修士を両方取得できるジョイント・ディグリーの制度もある。取得単位のうち16単位をコンバージョンすることによるもので、アメリカ的なビジネスエリートの典型的バックグラウンド「理系と経営のマスター学位」を得ることも可能である。