孤独や不安から逃れることはできない。しかし練習によって、孤独や不安と向き合い、うまくつきあうことはできる。そのための実践的なスキルを、本書から学んでみてはいかがだろうか。(ヨコヤマノボル)

本書の要点

(1)「本当の孤独」を知れば、自分を理解し、成長し、今まで気づかなかったネットワークに気づくことができる。
(2)あなたと関係のない人は「他人」だが、大きな喜びや幸福を与えてくれる半面、激しい孤独と不安も生み出す人は「他者」である。他者とのつきあいは、人間的成熟度のバロメーターだ。
(3)つらいとき、不安なときに支えてくれる人がほしければ、まずは何かの「おみやげ」を渡して受け取ってくれる人間関係をつくるとよい。

要約本文

【必読ポイント!】
◆本当の孤独を知る
◇どうして1人じゃいけないのか?

 1人でいることは、みじめで恥ずかしい。はたしてそうなのだろうか。本当は、1人がみじめなのではなく、「1人はみじめだ」と思い込んでいることに苦しめられているだけだ。

 もし「1人はみじめじゃない」と思えればどうか。1人の時間は、びっくりするくらい豊かな時間となり、さまざまな発見を経験する時間となる。逆に「1人はみじめだ」と思い悩み、心を忙しくし、とにかく他人を求める状態は「ニセモノの孤独」である。

 これに対して「本当の孤独」とは、自分とちゃんと対話することだ。1人で一週間以上旅をして、やることが何もないと、自分の一番深い部分と対話できるようになる。自分が「本当は何をしたいのか?」「本当は何を考えているのか?」を知るためには、一定の時間何もせず、退屈し、孤独になることが必要だ。

◇本当の孤独を生きると新しいネットワークが見つかる

「1人でいてもいい」と思うだけで、あなたは「ニセモノの孤独」の苦しみからも、うっとうしい人間関係からも解放される。晴れ晴れとした、楽な気持ちになれるだろう。