財政調整基金以外も大盤振る舞い
小池知事が後藤新平を持ち上げる矛盾

第五の悪政 隠れ浪費で都財政は火の車

 小池知事が就任した時、都には自治体の“貯金”である「財政調整基金」が1兆円も積み上がっていた。ところが、コロナ対策にその基金を使い果たし、今年度末の残高は21億円にまで減少する見込みだ。

 財政調整基金の取り崩しは、確かにコロナ対策という大義のためであるから大目に見よう。しかし、もう一つの基金取り崩し問題は、ほとんど知られておらず、看過できない。

 都には、財政調整基金とは別に事業目的別の基金がいくつも設置されている。例えば、温暖化対策に使うための基金などである。

 総額2兆円あったが、これが小池知事1期4年の間に半減したのだ。もちろん、行政目的に沿って準備したお金なのだから、「使って何が悪いの?」と小池知事は言うかもしれない。

 しかしその実情は、与党の一角を占める政党の言いなりに予算を付けたり、人気取りのために補助金をばらまいたり、そんな無節操な基金運営の結果なのである。これを隠れ浪費と言わずして何と言おう。

 この先、都の財政は、コロナ対策に加えて小池知事の隠れ浪費の影響をもろに受けて冬の時代を迎える。そのツケを払わされるのは将来の都民である。

第六の悪政 横文字政策にはご執心だが、都市インフラには無関心

 小池知事のスタンドプレーにはいつもへきえきさせられるが、自治体の長として最も許せないのが、彼女の不作為による怠慢である。

 小池知事は自分がお気に入りの政策には全精力を注ぎ込む。国際金融都市構想、次世代通信規格の5G、DX(デジタルトランスフォーメーション)などなど、浮ついた横文字系の政策が並んでいる。その一方で、都民の生活や都市活動を支える都市インフラの整備には極めて冷淡だ。

 現在、更地となった築地市場跡地を豊洲市場方面から延びる大きな道路が横断している。環状第2号線(環2)と呼ばれる幹線道路の仮の姿である。

 本来なら、新大橋通りまで完成済みの地下トンネルと接続し新橋、虎ノ門、四谷にアクセスするはずだった。ところが、小池知事の一声で築地市場の豊洲移転が延期されたあおりで、環2は未完のまま放置されている。

 環2に限らず小池知事は、都市インフラを積極的に整備する気が極めて乏しい。反対運動を恐れてか、人気取りには効果がないと踏んでいるのか、不作為を決め込んでいる。

 小池知事はしばしば、戦前に東京市長や帝都復興院総裁を務めた医師で、都市計画の専門家でもあった後藤新平を引き合いに出すが、自身は東京における都市インフラの重要性を理解せず、中長期の視点も持ち合わせているとは到底思えない。そんな人物に東京のかじ取りを任せるのは、やめた方がいい。