高圧的な相手との関係が始まった頃は、「怖い! どうして怒られるんだろう。私はそこまで悪いことをしているの?」と思っていたのに、時間がたつにつれ、「許してもらわなければならない!」と懸命になってしまうのです。
すべては何とかして安心を感じるため。
身構えて過敏になった感覚を、相手の好みや相手の顔・姿勢の変化を観察するために駆使するようになります。
誰にも迷惑をかけたくないから気をつかう
傷つきやすい人は、相手がどんな人でも迷惑をかけるようなことは一切してはならないと考えて、過剰なほど神経をつかうところがあります。
ささいなことでも自然に気がつく感受性の強さを使って、誰に対しても迷惑がかからないようにしようと考えます。
このように気をつかって過ごしていると、じきに、体や気分に変調をきたします。
突然ダウンしたり、ささいなことで感情を爆発させたりすることもあるでしょう。
そうなると、「迷惑をかけたくなかったのに、かけてしまった!」と思ったり、「そんな自分なんて、いないほうがいいんだ」とまで思いつめてしまったりする人もいるのです。
「ノー」はあとから言えばいい
高圧的な態度をとられて、「ノー」がその場で言えないという場合には、無理に言う必要はありません。あとでメールをしたり、あえてメモに書き、相手の不在時にデスクに置く形で「ノー」を伝えてもいいのです。
また、反論したいのに、すぐにうまい言葉が出てこないときにも、そこで無理せず沈黙してしまってかまいません。そして、反論せずに黙っていることのできた自分を、「よく耐えられたね」としっかりねぎらってください。
その場で反論できないのは自分にとって自然な反応だと受け入れることができれば、「すぐにノーと言えなくてもいいんだ」と、気持ちがすごくラクになります。