――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト
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巨大ハイテク企業(ビッグテック)の力を抑え込もうという機運が高まる中、その商品やサービスを日常的に利用するわれわれ消費者に各社の「解体」がどのような影響を及ぼしうるのか。米議員をはじめ、ワシントンの有識者、さらに企業自らも説明しようと競い合っている。
先月、下院司法委員会が超党派議員の支持を取りつけ、6本の反トラスト法案(独占禁止法案に相当)を承認したことで、そうした影響をめぐる疑問が現実味を増している。これらの法案は「FAAAM」(筆者は巨大ハイテク5社をこう呼んでいる)解体に前向きな姿勢を改めて示した(このうちマイクロソフトはおおむね標的から外れている)。
連邦議会の立法プロセスには難路がつきものであることを踏まえると、法案が現在の形で成立する可能性は高くない。また、どのような動きであれ時間がかかる可能性がある。
だが法案に規定された内容に近いものがビッグテックに順守を義務づけるルールとなる可能性は明らかに高まっている。連邦議会や州レベルの法律、法廷闘争、連邦取引委員会(FTC)の新委員長に就いたリナ・カーン氏のような規制当局者、あるいはハイテク企業に対抗しようとする超党派の政治的意思を通じて、それは実現するかもしれない。
どのように事態が展開するのかを想像するのは興味深い。以下にいくつかの可能性を挙げてみよう。