コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4~6月度の自動車編だ。
トヨタ、業績27.1%増でも苦戦?
ホンダ・マツダも実態と乖離
自動車の主要5社が発表した4~6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯トヨタ(トヨタ自動車)のトヨタ国内販売台数
4月度:前年同月比127.1%(27.1%増)
5月度:同131.1%(31.1%増)
6月度:同117.5%(17.5%増)
◯ホンダ(本田技研工業)の国内自動車販売台数
4月度:前年同月比106.2%(6.2%増)
5月度:同117.5%(17.5%増)
6月度:同98.6%(1.4%減)
◯日産(日産自動車)の国内販売台数
4月度:前年同月比135%(35.0%増)
5月度:同133.9%(33.9%増)
6月度:同77.4%(22.6%減)
◯スズキの国内販売台数
4月度:前年同月比167.8%(67.8%増)
5月度:同203.6%(103.6%増)
6月度:同81.2%(18.8%減)
◯マツダの国内販売台数
4月度:前年同月比110.7%(10.7%増)
5月度:同126.3%(26.3%増)
6月度:同91.6%(8.4%減)
今回取り上げる5社の中で、4〜6月全てで前年実績超えを果たしているのは、トヨタのみ。しかし、これを見て「トヨタが好調だ」と考えるのは早計だ。公表数値の奥に隠れた「実態値」とのギャップを見ると、公表数値からは読み取れない各社の側面が浮き彫りになる。