一方で不満を抱いている人も
その要因は……
このように、テレワークに対してはポジティブな意見が多く見られますが、それには「条件」が付いています。
テレワークが導入されて良かったと感じているのは「自己の判断で、自由にできる」という人たち。「週に○日は出勤」など、会社の基準やルールに沿ってテレワークをしている人たちは、テレワークに対する満足度がそれほど高くないのです。アンケート調査では、テレワーク導入を「良くなかった」と回答した人が3割弱いました。
企業側としては、「テレワーク環境さえ整えればいい」のではなく、「裁量権」も併せて付与しなければ、働く人たちの満足にはつながらないというわけです。
テレワーク中、上司が「さぼっていないか?」と頻繁にチェックを入れたり、「カメラの前に出なさい」と強要したり……これらは働く人が不満を募らせる、最悪のパターンと言えるでしょう。
「全体性」を感じられるかどうかが
モチベーションに影響
テレワークにおける課題の1一つが、「チームワーク」です。テレワーク実施後、チームでの仕事が減った人はモチベーションが下がっているというアンケート結果があります。
「仕事の全体性」「関わりの質」は、モチベーションに大きく影響します。目隠ししてサッカーをしているように、仲間が見えない、敵も見えない、そもそもボールもゴールも見えない……。「私は今どこに向かって、誰と何をしているんだろう?」という不安を抱いたとき、モチベーションが落ちていくというわけです。
ハックマン&オルダムが提唱した職務特性モデルに、MPS(モチベーションポテンシャルスコア)というものがあります。このモデルによると、モチベーションに影響する要素は5つ。
●求められるスキルの多様性
●仕事の全体感の把握
●仕事の重要性の実感
●仕事の進め方の裁量
●上司や同僚からのフィードバック