スペシャリストになることはできなくても、以前の状態よりも成長することはできる。方向感覚とは、努力した分だけ結果が返ってくる能力なのだ。
「道に迷いやすくても『迷わないコツ』を意識して歩くだけで、その回数が減らせると思います。たとえば、方向音痴の人って自分の方向感覚に自信がないから、マップアプリのナビ機能に頼りますよね。しかし、アプリは自動で画面が動いたり、GPSの反応が遅れて表示がズレたりなど、混乱を生みやすい。そういう人にお伝えしたい『コツ』は、ナビ機能を使わないことです」
実際、吉玉さんも最近、ナビ機能は使わず、地図アプリで目的地までの道順を確認するだけにしているという。
「紙の地図も分かりやすいです。紙は勝手に動くことはありませんし、自分のペースで道をたどっていけますからね。もちろん、スマホでも構いませんので、道に迷いやすい人は、一度ナビ機能を使わずに歩いてみるのがおすすめです」
本書ではほかにも数々の「迷わないコツ」が紹介されている。方向音痴の自覚がある人はもちろん、自分は迷わないが周囲に方向音痴の知り合いがいるという人にも読んでほしい1冊だ。方向音痴の人々の苦悩を知ることは、それこそ、知らない道を歩くように新鮮かもしれない。