東京・上野の国立科学博物館で特別展「植物 地球を支える仲間たち」が開催中だ。目玉の展示植物は、世界最大の花「ラフレシア」、高さ2.72mの花「ショクダイオオコンニャク」、数百年生きる葉「キソウテンガイ」、最古の植物化石「クックソニア」といった普段はお目にかかれない奇怪な造形物の数々だ。動物とはちょっと違う生命進化の経路も面白い。夏休みといえば「恐竜展」が定番だが、今年は「植物展」で生物の勉強をするのもいいのでは。(コラムニスト 坪井賢一)
最新の分子生物学を駆使し
植物の進化と生命の謎に迫る
特別展「植物 地球を支える仲間たち」が9月20日まで東京・上野の国立科学博物館で開催されている(2022年1月4日から4月3日まで大阪市立自然史博物館へ巡回予定)。主催は同博物館で、日本植物学会など7つの関連する学会が協力し、多くの生物学者・植物学者が参画している。
コロナ禍でなかなか展覧会に行くのがやっかいな情勢だが、入館者はインターネットで時間順に予約することになるので、混雑することはない。安全に回れる。
珍しい植物を美術品のように陳列する展覧会ではない。最新の分子生物学を駆使し、植物の進化と生命の謎に迫る画期的な展覧会だった。もちろん、冒頭のような珍しい植物もあるので小学生から楽しめる。
展示の全体は7章に分かれ、書物のように構成されている。