宿題代行・賛成派の意見
夏休みの宿題への根深い不信感

 では、宿題代行賛成派の意見はどうか。こちらの切り口は実にさまざまであるが、夏休みの宿題への不信感から出発したものが多い。

●読書感想文の課題図書が面白くない。
●熱中症やコロナ禍が警戒される中、外出を強制するような内容の自由研究はおかしくはないか。
●そもそも“夏休みの宿題”は意味があるのか。どれほどの学習効果が期待できるのか。
 
 受験を控えた家庭では、夏休みの宿題が「受験勉強を阻害するただ邪魔なもの」と捉えられる場合があり、そうなるといよいよ宿題代行の存在はありがたい。お金で夏休みの宿題の負担をなくすことができれば、受験勉強により本腰を入れて取り組むことができる。
 
 先ほど、お金と時間短縮について触れたが、どこからが“ずるい”かというそもそも論が絡んできてややこしい。宿題代行がずるくて塾や家庭教師はずるくないのか、どちらも「お金で時間短縮や能率を買っている」という点で同じではないか――など、議論はいくらでも広がりを見せる。
 
 なお、昨年8月のデータだがYahoo!で行われた「『宿題代行』どう思う?」というアンケートでは、回答数2万票強で、結果は次の通りだ。

・問題があると思う……82.2%
・問題ない……14.3%
・その他/わからない……3.5%

 メディアを見渡した印象だと、宿題代行の是非について議論の趨勢(すうせい)は拮抗(きっこう)しているかに見えたが、一般的には“非”と考えている人が圧倒的多数であるのが現実だ。