YouTube登録者37万人、Twitterフォロワー52万人でベストセラー『カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』著者のカリスマ保育士てぃ先生と、“ビリギャル”こと『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』著者の坪田塾塾長・坪田信貴さんがスペシャル対談!
従来のやり方にとらわれない子育て・教育方法を提唱するお二人が、「接する子どもの年代は違っても、子どもを伸ばすことの基本は同じ」と意気投合。それぞれの視点から、これまでの子育ての盲点を語ってくれました。子育て中のみなさんは必読。4回連続でお届けします!
(構成・小嶋優子 撮影・赤石仁)

親の悲鳴が聞こえてくる夏休み!<br />「宿題ぐらいやりなさい」と言わずに<br />子どもがやる気になる時間術とは?

やる気スイッチは幻想。
真実は「やり始めたらやる気になる」

――夏休みが始まると、子どもとの関わりが多くなります。子どもがダラダラする、宿題をしないといった悩みをかかえる人が多いのですが、夏休みの過ごし方でアドバイスがあったらお願いします。

てぃ先生(以下、てぃ) 保育園では、基本、子どもがなるべく好きなように過ごせるようにしているんですが、どうしても団体で動かなきゃいけないときもあるんですね。

 それを、やりたくない子はやらなくていいよってしてしまうとそのあと困ることもあるので、そんなときは時間だけ決めて、とにかく始める、というふうにしています。

 で、いやだったらすぐにやめてもいいってしてるんです。

 たとえば9時からリトミックをやることになっていたら、とりあえず9時に始めるけどいやだったらやめてもいい。とにかく9時に始めるということだけを守ってもらうんです。

 これ、おもしろいのが9時に1回やり始めるとだいたいみんなそのままやるんですよね。いやだって言っていた子も(笑)。

 これは勉強や仕事もそうで、自分自身、たとえば資料を読まなくちゃいけないとわかっていても、時間を決めないでいるとずっとやらない。でも、「22時から1行だけでも読もう」って決めて、22時になったときとりあえず1行だけ読むと、1行読んだらそのあとも読むじゃないですか(笑)。だから、夏休みに子どもに宿題とかをさせたいのであれば、「すぐにやめてもいいから、とりあえず行動を開始する時間を守ろう」っていうのはいいと思います。

坪田信貴(以下、坪田) まったく同じです。「勉強をしよう」と思うと、子どもたちってみんな1時間、2時間って考えるんですよ。だから2時間くらいあいているところでやらなきゃって思う。でもじつは、現代人で1時間も2時間も何もない時間ってほぼないから、結局それを理由にしてやらなくなってしまうんですね。

 僕も生徒や塾の先生たちにいつも言うのが、勉強や仕事を始めるときには「1分だけやる」って決めてから始めようと。

 そうすると、1分だけと思ってやり始めたら1分30秒になるんですよね。そこでのってきたら、2時間3時間ってなっていく。徐々に増やしていくという感覚がすごく大事なんです。

 みんなやる気になったらやると思っているけど、逆で、「やってたらやる気になる」んですよ。まずはスタートのハードルを下げましょう。

親の悲鳴が聞こえてくる夏休み!<br />「宿題ぐらいやりなさい」と言わずに<br />子どもがやる気になる時間術とは?
坪田信貴(つぼた・のぶたか)
坪田塾 塾長
これまでに1300人以上の子どもたちを個別指導し、心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。「地頭が悪い子などいない。ただ、学習進度が遅れているだけ。なので、遅れた地点からやり直せば、低偏差値の子でも1~2年で有名大学、難関大学への合格は可能となる」という信念のもと、学生の学力の全体的な底上げを目指す。