縦型? 横型? その選択ポイントは…

 例えば、数値をもとに縦型で作ったグラフを作成してみました。1本の棒の中で衆議院・参議院の人数もわかるように積み上げて表現しています。下図を見てください。

「自民党の派閥」と「総裁選の候補者」を【1枚の図】にまとめた!

 この縦棒グラフ、グラフとしては内容の理解に問題はありませんが、左の表(上から下へ流れる)の情報との関連性が伝わりにくい印象です。また、通称と名称を横軸に表記しようとするとスペースが足りず斜めに配置することとなってしまいました。これも視認性がいいとはいえません。そこで、グラフを横型にしてみます。

「自民党の派閥」と「総裁選の候補者」を【1枚の図】にまとめた!

 左の表の情報と右のグラフがスムーズにリンクして、素早く伝わる図解となりました。このように、情報を伝える視線の流れ、配置やスペースにも配慮して、縦型にするか横型にするかを決めるのも大切です。

候補者を加えてさらに説明するなら…

 9月13日現在、総裁選は、河野太郎氏、岸田文雄氏、高市早苗氏が出馬を表明。石破茂氏は検討中とのこと。注目が集まっているこの4名の情報をグラフに挿入してみましょう。下図を見てください。

「自民党の派閥」と「総裁選の候補者」を【1枚の図】にまとめた!

 河野氏は麻生派、岸田氏は岸田派、石破氏は石破派、高市氏は無派閥なので、候補者がどの派閥に属しているか、あるいは無派閥なのかが一目でわかるよう実線で明確に紐付けています。そして、高市氏に対して「細田派の安倍晋三氏が支援を表明している」という補足も加えました。また、アテンションとして立候補者のアイコンを入れています。

 ただ、アイコンの入れ方には工夫が必要です。グラフの横棒にそれぞれの候補者を配置すると、いかにも「派閥の人数=候補者の支援者数」ととらえかねられません。そう言い切れない情勢もふまえて、候補者のアイコンを並列に並べ、グラフデータの外に配置することで、派閥の全体数との対比をしやすくしています。

 日常の頭の整理や情報の共有に、ぜひ図解を活かしてみてください。

※記事初出時より、以下の部分を修正しました。図中の「志帥会」の「帥」を修正(2021年9月17日9:31、ダイヤモンド社書籍編集局)