医学部&医者2021入試・カネ・最新序列#1Photo:PIXTA

エリート男子の医学部離れが進んでいる。それは長らく東京大学理科三類への合格者数トップを走ってきた西の名門、灘高校も例外ではない。特集『医学部&医者2021 入試・カネ・最新序列』(全21回)の#2では、医療界では一種のブランドになっている「灘→理三」という黄金ルートの異変の裏事情を探る。(教育ジャーナリスト 庄村敦子)

日本最高峰の頭脳を証明する
「灘→理三」に異変

 長年、医学部の最難関、東京大学理科三類(以下、理三)への合格者数が最多の高校といえば灘(兵庫県)だった。2013年には27人(以下、合格者数は総数)が合格。当時の定員は100人だったため、なんと合格者の4人に1人が灘出身者だった。医療界でも、「灘→理三」は一種のブランドになっている。

 しかし、19年には21人が合格したものの20年は14人、21年は12人だった。他校に比べて灘高生の学力が落ちたわけではなく、同校によれば理三志望者自体が減ったという。なぜ医療界でも影響力のある「灘→理三」の黄金ルートは崩れ始めたのか。