「医学部に強い」と標榜する塾や予備校はあまた存在するが、わが子に合わないところを選んでしまうと、高い授業料をドブに捨ててしまうことになる。特集『医学部&医者2021 入試・カネ・最新序列』(全21回)の#16では、子どもを医学部に入れた教育ジャーナリストが、自らの経験と長年の取材を基に、わが子にぴったりの塾・予備校選びを指南する。(教育ジャーナリスト 庄村敦子)
難関医学部に学校だけでは心もとない
予備校に通う現役生が増加
「私、医者になりたいんだけど……」
わが子が医学部受験を志したとき、親は何をしてやれるのか。その一つが塾・予備校選びだ。ほかならぬ筆者も、自分の子どもの医学部受験を経験した親の一人である。
もちろん学校の勉強だけで済むのが理想だが、理系最難関学部で、偏差値も60を超える(本特集の#6『医学部偏差値ランキング2021【全82大学】プロの分析による最新入試トレンドも解説』参照)大学が大半である医学部に合格するためには、塾・予備校はほぼ必須になると考えた方がよいだろう。
中でも医学部に特化していると標榜しているのは、ほぼ予備校だ。かつては、予備校には浪人生が通っていたが、現役志向が高まっている昨今では、中学・高校生から医学部受験のための予備校に通う生徒が増えている。そこで、近年はほとんどの予備校が現役生向けの講座や個別指導などを用意。現役生対象の校舎を設置している予備校もあり、「現役生の割合が増加した」と話す予備校関係者も少なくない。
一口に「医学部に強い」と言っても、教育方針、指導方法、学費に至るまで、予備校によってかなり差がある。まずはホームページの進学実績に目が行きがちだが、何よりもわが子の学力や性格に合ったところを選ぶことが大切だ。新型コロナウイルス感染拡大の終息まではオンライン環境が整っているかも気になるところ。子どもの夢をかなえるための予備校選びのポイントを解説する。