いまや医療界でも珍しくなくなった女性の医者。専門医も取得して、医者として独り立ちした年頃の30代女医たちが今悩み、見据える先とは。特集『医学部&医者2021 入試・カネ・最新序列』(全21回)の#17では、結婚・離婚から、職場・給料の満足度、診療科の優劣、婚活の苦労に至るまで、キレイ事抜きの、女医のリアルな声をお届けする。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)
ダメな旦那より収入倍で離婚決意
婚活には保険や不動産営業の罠
――女性はオペ(手術)を避ける人が多いけど、A先生とB先生は外科系ですよね。
A 研修のとき手が器用って褒められたのがうれしくて、それに乗せられて(笑)。人間関係に自信がなかったので、いろんなところに人間関係が築けたらなと思い、手術室に入る外科系にしたというのもあります。
B 最初から産婦人科志望だったんですけど、初期研修のときの指導医に、「オペをバリバリやりたいなら一般外科も経験しておいた方がいい」と言われて、最初は外科に進みました。そこで結婚・出産して育児休暇明けに産婦人科に転科しました。
――20代で結婚・出産は早い。ご主人も医師ですか?
B まったく別業界の、医療職以外の人です。でも、離婚しちゃいましたけどね(笑)。20代のうちに出産したかったから、焦って結婚したのが良くなかったかも。
――離婚の原因は?
B 「出産後に仕事に復帰したい」と言ったら「家事・育児全部君がやってね」と言われて。私の方が収入倍なのに(笑)。1年は我慢したけど、旦那の面倒まで見たくないと思って、離婚しました。
――私の頃は、女医が「結婚する」と言ったら疑いもなく「何科の先生?」って聞かれたものだけど、最近は非医師との結婚も増えていますよね。
A うらやましいな~。もう、コロナのせいで婚活が滞ってるんですよ(笑)。仕事上病院にコロナ持ち込めないから、外に飲みにも行けないし。
――今、コロナのせいで、特に医療職は出会ってすぐに勢いで結婚まで持っていくということがしづらいご時世ですからね。
C しかも女医の婚活は、生命保険会社の男性社員との戦いなんですよ(笑)。ネット上などでは男性の魅力を武器に保険を獲得する保険会社の社員が揶揄されてるんですけど。実際、婚活装って、女医に保険や不動産売りつけようとする男、本当多いから。特に某外資系保険会社……。
――研修医の指導内容に、保険や不動産屋の撃退法は必須にした方がいいと思うくらい、医者を狙った金融商品や投資話は多いけど、婚活にも潜んでいるとは……。
C 以前働いていた病院は、上司が某外資系保険会社の男性と結託していて、院内研修という名目で呼ばれて行ったら……。(続く)