入学時の偏差値が高くなくても医学部への合格実績を上げている中高一貫校は少なくない。特集『医学部&医者2021 入試・カネ・最新序列』(全21回)の#1では、現役合格者の卒業生に対する比率を基に、入りやすいのに国公立大学の医学部を狙える「お得な」中高一貫校ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
中堅クラスの中高一貫校から
国公立大学の医学部に進学できる
医学部の人気は根強く、少子化が進んでも依然狭き門である。
特に、国公立大学の医学部は、授業料が国公立の他の学部と同じで、私立大学の医学部に比べると圧倒的に安い。一般的な年収の会社員の家庭も重い資金負担を背負わずに子どもを医学部に通わせることができるのだ。それ故、さらに狭き門となっている。
実際、国公立大学の医学部の偏差値は高い。多くの国公立の医学部の偏差値は、旧帝大の医学部以外の理系学部の偏差値とほぼ同水準だ。だからこそ、進学校にとっては、大学名に関係なく国公立大学の医学部への合格実績は重要なアピールポイントとなる。
そんな国公立大学の医学部に入るには、やはり入学偏差値の高い難関の中高一貫校に入らなければ無理なのではないか。そう思う人もいるだろう。
そんなことはない。中堅クラスの中高一貫校にも国公立大学の医学部に合格する生徒を輩出するところはあるのだ。
そこで、今回、2015年と21年の中学入試の偏差値が55未満の中高一貫校を対象に、21年入学の国公立大学医学部の現役合格者の比率を算出し、合格者比率のランキングを作成。そうした「お得な」中高一貫校をあぶり出してみた。
次ページでその50校の顔触れを見ていこう。なんとトップ3は三大都市圏以外の学校である。