医学部&医者2021入試・カネ・最新序列#6Photo:Diamond

新型コロナウイルス感染拡大下で初めての入試となった2021年。特集『医学部&医者2021 入試・カネ・最新序列』(全21回)の#6では、医学部受験のプロたちの分析とともに、最新の医学部入試データを読み解きつつ、今後のトレンドを予想する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

コロナ禍で医者人気はいかに
21年入試から分かる今後のトレンド

「安定、高収入、高ステータス」の代名詞である医者。それを反映するように、日本経済が停滞し始めた1990年代より医学部人気は沸騰、偏差値も右肩上がりを続けていた。しかし、あまりの難化に少子化も手伝って、2016年頃をピークにその後は国公立大学、私立大学共に偏差値が低下、志願者数も漸減していた。

 そして迎えた新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)。未知のウイルスの危険にさらされる医療従事者は敬遠され医学部人気は下がり続けるのか、それともコロナ禍による景気の低迷により医者の「安定、高収入、高ステータス」が再び脚光を浴びるのか――。

「そのどちらに転ぶか予想できない」と、本格的にコロナの影響を受けていたとはいえない20年入試直後には、塾・予備校関係者は一様に口をそろえていた。

 では、生徒の思考や親の懐事情まで、コロナ禍の影響をもろに被った初の入試となる21年の結果はどうだったのだろうか。狙い目はあるのだろうか。医学部受験のプロたちと共に分析すると、そこにははっきりとしたトレンドが表れていた。