医学部&医者2021入試・カネ・最新序列#7Photo:PIXTA

医者にとって、診療科選びは人生を決める重要なファクターだ。しかし、諸制度や実情をきちんと理解しておかないと、キャリア形成だけでなく、私生活に至るまで、後々ひどく後悔することになりかねない。特集『医学部&医者2021 入試・カネ・最新序列』(全21回)の#7では、医療界の伝統的な序列からは分からない、診療科選びの最新事情を解説する。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

新しい専門医制度が
若手の診療科選びに影を落としている

 ほぼ全ての医者は、自らの専門である「診療科」を持っている。その専門スキルを証明するために、数年の研修を経て「専門医」資格を取得するのが慣例となっているが、その資格取得制度が2018年に刷新された(以下、新専門医制度)。

 しかし、この制度によって希望の診療科を断念せざるを得ないと訴える若い医者が続出している。さらには、働くエリアすら強制されかねない。新専門医制度は、若手のキャリア選択に一体どんな影響を与えているのだろうか。

「せっかく医者になったのに、希望する科や地域で働くことができないなんて」と後悔することは避けたい。医者や医学部に通う学生のみならず、今後、医学部受験を目指している生徒と親も理解必須の、最新事象を解説していこう。