米国で債務上限問題を巡る交渉が遅々として進まない中、さまざまな米国債に対する投資家の選好に偏りが生じている。投資家は支払い遅延リスクが最も高い一部の短期債を保有するにあたって、より高い利回りを求めている。一方で、財務省は上限に達するのを防ぐため短期借り入れを縮小している結果、供給が減少している他の財務省証券は利回りが押し下げられている。過去にも、政府借り入れが法定限度額に近づいたことで、米国債市場に同様のひずみが生じたケースがあった。RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略部門の責任者、ブレーク・グイン氏によると、トレーダーは政府が借り入れ金を返済できなくなることを実際に恐れているわけではない。ただ、議会が合意に達するまでの数日にわたって現金が不足するだけでも、満期を過ぎた債券を扱うように設計されていないコンピューターシステムを使用している資産運用会社やカストディアン銀行にとっては頭痛の種となる。
ひずみ生じる米短期債市場、債務上限問題が波及
Tビルの利回りに異変、大量償還で発行残高は減少
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